アルコール依存症 罪悪感

アルコール依存症と罪悪感について

自分が悪いことをしたと思ったときに起こる感情を罪悪感と言います。例えば、仕事を途中で放り出してしまったとき、浮気をしてしまったとき、自分で決めたことを守れなかったとき等々。この罪悪感という感情がアルコール依存症と大きく関係しているのをご存知でしょうか。

 

人は日常で罪悪感を感じたとき、その不安な気持ちを紛らわすためにお酒に頼ってしまうことがあります。お酒の力によって気分がスッキリすると、「罪悪感を感じたときはお酒を飲めばスッキリする」という情報が無意識に脳にインプットされ、次に同じようなことがあったときにまたお酒の力に頼ってしまうようになります。そして、飲む量は次第に増えていき、心身ともにアルコールに蝕まれていくのです。

 

この工程は断酒や禁酒をしている人にも当然起こります。罪悪感を感じたときに、ふと断酒をしている意義を感じられなくなってしまうのです。その結果「ちょっとだけ飲んじゃうか!」となり、飲酒を再開。そして翌朝目が覚めたときに、飲んだことに対して罪悪感を感じるという負のスパイラルにはまっていきます。

 

お酒を飲んでしまったことに対しての罪悪感

大量のお酒を飲んで家族や周囲の人に迷惑をかけてしまったという経験は、アルコール依存症の人でなくても一度くらいはあるかもしれません。そんなとき、翌朝になって「やってしまった…」と少しは罪悪感を感じるでしょう。
このときにアルコール依存症の人や断酒中の人は、「お酒を飲んだらこうなることは最初からわかっていたのに・・・」と思い、より大きな罪悪感を感じます。

 

大きな罪悪感から自己嫌悪の感情が生まれ、「自分なんかに幸せになる権利はない。生きている価値はない」と、楽しいことを拒絶したり、最悪の場合自殺に至るケースもあるので、家族や周囲の人は注意しなくてはいけません。

 

また、逆に自分のことを正当化するケースもあります。逆切れです。「お酒を飲もうと感じたそもそもの原因」に対して、怒りの感情をぶつけてくるのです。

 

家族の対応の仕方

断酒中の人がお酒を飲んでしまった場合、家族は励ましたり、怒ったりしないことが重要です。
励ましの言葉はプレッシャーになり余計に罪悪感を植えつけてしまいますし、
飲酒を責めてしまうと反発してまたお酒を飲んでしまうでしょう。

 

こういう場合は、許すという姿勢が大事です。
「気にしていないよ」という素振りでストレスの原因を聞いてあげましょう。優しくサポートする姿勢を見せることよって、本人も断酒の再開や治療に対して前向きになるはずです。

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