アルコール依存症とアルコール中毒(アル中)の違いとは?
アルコール依存症者を家族に持つ者からすると、他人から家族のことを「アルコール中毒」や「アル中」と言われるとあまりいい気はしないものです。
「アル中」という言葉を聞いたときに、片手にウイスキーボトルを持ってしゃっくりをしながらフラフラと歩く鼻やほほが赤い酒臭いおじさんをイメージする人は多いのではないでしょうか。
自分の家族がそんなふうに呼ばれるのはとてもつらいですが、現に飲酒時は上記のアル中のイメージとそう大差がないような気がします。
それに、実際「アルコール中毒(略してアル中)」と「アルコール依存症」は同じ病気です。「アルコール依存症」という名称になる以前はアルコール中毒(アル中)という病名で呼ばれていました。
アルコール中毒には「急性アルコール中毒」と「慢性アルコール中毒」があります。
急性アルコール中毒は、いわゆるイッキ飲みのように短時間で大量のアルコールを飲んで意識を失ってしまう状態のことです。
そして、慢性アルコール中毒は、長期間にわたる飲酒によって心身ともにボロボロになるアルコール依存症のことです。
名称が変わった経緯は、自分の意思で飲酒を繰り返すこの病気に「中毒」という表現は適切ではないということで、「依存症」という言葉が使われるようになったといいます。
「アルコール依存症」から「アルコール使用障害」へ
さらに現在では「アルコール依存症」から「アルコール使用障害」という病名に変更されました。
アルコール依存症から回復するには、生涯にわたってアルコールを断つしか道はありません。言い換えると「2度と治る見込みがない」ということです。そういう意味で「障害」という表現に言い換えることになったそうです。
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