アルコール依存症の迷惑行為について
アルコール依存症者のいる家庭は、よく「地獄」と表現されます。たしかにお酒の無い暮らしが天国に思えるほどの状況ですので、決して大げさな例えではないと思います。
具体的に何が地獄かと言うと、それは迷惑行為です。アルコール依存症者は酒に酔うと他人に迷惑をかけます。しつこくからんでくることから始まり、次第に暴言や暴力などにエスカレートして、ときには包丁を持ち出すことも少なくありません。
家庭の外でも迷惑行為を引き起こします。例えば、会社の人間に迷惑をかけたり、飲み屋で暴れて警察沙汰になったりなどです。
アルコール依存症者は何でも他人のせいにする傾向があるので、ちょっとした不満を見つけると、その相手に攻撃を仕掛けます。その際、依存症者とは直接関係のない家族の知人なども攻撃対象になりえます。例えば、配偶者の職場の人間や取引先の相手、親戚や更にその知人などです。配偶者の携帯電話などから勝手に連絡先を知らべ、酔った勢いで真夜中でもお構いなしに電話をして暴言を吐いたり説教をしたり…。相手の方も急な出来事にまさに寝耳に水といった心境でしょう。
アルコール依存症者のいる家庭では、こんなことが本当に日常的に起こっているのです。家族からしてみたらまさに地獄といっても過言ではありません。
迷惑行為への対処法
アルコール依存症者から迷惑行為を受けた場合の対処法は、後始末や尻拭いをしないことです。飲んだグラスや空き缶などの片付け、トラブルの後始末、会社を休む連絡など、本人がやるべきことはすべて本人にやらせるようにしましょう。
アルコール依存症者は酔っているときの記憶が曖昧なので、周囲の人が後始末をしてしまうと、事の深刻さを直視することができずに、どんどん症状が悪化していってしまうからです。
ただし、よほど衰弱している場合は別です。病院へ連れて行くか救急車を呼んで、あわよくばそのまま治療に移りましょう。