アルコール依存症の治療は病院の何科を受診すればいい?
患者本人が「アルコール依存症を治したい」と決断したら、家族は病院へ連れて行ってあげましょう。その際、総合病院であれば精神科や心療内科を受診することになります。「精神科」と聞くと敷居が高いと感じるかもしれませんが、そこは乗り越えましょう。
なぜ内科ではなく精神科なのか?
内科での治療は、内科疾患だけを治療することになるので、また飲める体に回復するだけなのです。これではアルコール依存症を克服したことにはなりません。
また、アルコール依存症の治療が始まると、当然、断酒することになります。そのときに患者を苦しめるのが離脱症状です。離脱症状は、手や全身のふるえ、発汗、イライラ感の他、幻覚や幻聴などを見ることもあります。これらの離脱症状に対して精神科でないとちゃんと対応できない場合があるのです。
ただし、一般の病院の精神科の場合は、アルコール依存症を熟知していない可能性もあります。ですので、できれば一般の精神科ではなくアルコール依存症専門の医療機関に連れて行ってあげるのがベストです。
アルコール依存症専門の医療機関の違いとは?
アルコール依存症専門の医療機関は一般の精神科と比べて、退院後に自助グループに参加することを重要視しています。
アルコール依存症を克服するためには、退院したあとも生涯にわたり断酒を継続していかなければなりません。退院後は、患者やその家族を支援する自助グループ(断酒会やAAなど)に参加して、断酒のモチベーションを維持していくことになるのですが、自助グループはアルコールをやめたい人たちが自主的に参加する集まりですので、参加するもしないも本人次第です。
しかし、退院後に長期間断酒できる確率は10〜15%というデータがあり、この断酒成功者たちのほとんどが自助グループを利用しているという事実があります。
アルコール依存症専門の医療機関は、自助グールプへ参加する意味を患者にしっかり伝えてくれるので、退院後も断酒を継続していける確率が高いといえます。
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