アルコール依存症が家族に及ぼす影響について
アルコール依存症という病気は、患者本人だけでなくその家族の生活にも大きく影響を与えます。
アルコール依存症者は飲酒することを何よりも優先するので、家庭内での自分の役割を果たさなくなります。そして、お酒が入ると陽気になったり不機嫌になったりと情緒不安定になります。こういった行動や考え方に家族は四六時中振り回されることになるのです。
また、多くの場合アルコール依存症者の家族はこの病気についての知識がないので、お酒をやめられなかったり酔ってトラブルを起こすのは、患者本人の人格によるものだと考えている場合が多いです。ですので、無理にでも飲酒をやめさせようとします。
しかし、アルコール依存症は周囲に言われて飲酒をやめられるほど簡単な病気ではありません。これが火種となり口げんかなどに発展し、その結果、家族は「すべてお酒のせいだ」と決めつけてしまいます。一方で患者本人は、自分のことを理解してくれない家族にストレスを感じて飲酒を繰り返すという悪循環に陥るのです。
このようにアルコール依存症者の家庭では不毛なトラブルが絶えません。
仕事への影響
二日酔いによる遅刻や欠勤が増えます。集中力や注意力が低下しミスが増え、上司から注意されることが多くなります。
さらに症状が進行すると、仕事中にお酒を飲んでしまったり、体調を崩して長期欠勤を余儀なくされることもあります。こんな状態ではクビになるのも時間の問題です。
職を失ってしまうと当然、経済的にも苦しくなります。しかし、それでもお酒をやめられず、借金をしてでもお酒を飲もうとするのです。
家族や子供への影響
アルコール依存症者の仕事は家族が代わりにやることになります。家計を支えたり、家事をこなしたり、場合によっては子供がアルバイトをすることもあるでしょう。
また、子供の心にも大きな影響を与えます。
アルコール依存症者とそのパートナーは心身ともにボロボロの状態なので、子供に対して愛情をかける心のゆとりが無くなってしまっているケースが多いです。子供に対して暴言を吐いたり、お酒を買いに行かせたり、飲酒に対する問題を八つ当たりしたりする親もいます。
こんな環境ですから当然、勉強も疎かになるでしょう。
経済的な理由から進学をあきらめるケースも珍しくありません。
以上のように、アルコール依存症が進行すると、患者本人だけじゃなくその家族も巻き込んで、不健全でみじめな日々が繰り返されることになります。
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