禁酒・断酒を継続するための方法
アルコール依存症を克服するためには、生涯にわたって断酒を継続しなければなりません。要するに「一生お酒を飲まない」ということです。
ある程度断酒を続けていると「もう大丈夫!」「今ならお酒の量をコントロールできそう」という気持ちになってしまいますが、アルコール依存症は治らない病気ですので、1口でも飲んでしまうとどんどんエスカレートしてまた元の状態に逆戻りしてしまうのです。
そうならないために断酒を継続する効果的な方法をお伝えします。
自助グループとは、アルコール依存症に苦しめられた患者や家族などが自主的に集まり、飲酒問題を克服していくことを目的にした相互援助団体です。
同じ問題を抱えている者同士が集まって、他人の酒害体験を聞いたり自分の体験を話したりすることで、断酒のモチベーション維を維持することができます。
自助グループは、断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス)などがあります。
宴会などのお酒の席にはできる限り近づかないようにしましょう。
アルコール依存症に対して認識のない一般の人に、しつこくお酒をすすめられる可能性があります。
イライラするとお酒を飲みたくなるものです。
ですので、イライラするようなことはできるだけ避けるようにしてください。
たとえば、ギャンブルなどは負けたときにイライラするので要注意です。
そのほか、女性の中には家事を全部ひとりでやっている人もいると思いますが、無理をするとイライラの原因になります。家事は家族で分担するようにしましょう。
お腹が減るとイライラしやすくなります。
これは血液中の糖の濃度が低くなることで、扁桃体という感情をつかさどる脳の部位がそのサインを受け取ることでイライラするのです。
また、脳のエネルギー源のブドウ糖が足りなくなると判断力が低下して、飲酒欲求に負けてしまうかもしれません。
ですので、お腹がすいたらお米やパンなどの炭水化物を摂るようにしましょう。イライラした感情がおさまり飲酒欲求も消えていきます。
飲み仲間だった人・職場の人・身近な人などに、自分が断酒したことをはっきりと伝えておきましょう。
それでも飲酒の誘惑してくるような人とは距離を置くべきです。
抗酒剤には、飲酒欲求を抑える働きがあります。
事前に服用することで、飲酒してしまったときに吐き気や頭痛などの不快感が現れます。
このほか、脳に直接作用して飲酒欲求を抑える断酒補助剤という薬もあります。
こういった薬の力を最大限に利用することも断酒を継続するためには大切です。
断酒を継続していくということは、小さな成功体験の積み重ねです。
最初から「一生お酒を飲まない」と考えるよりも、今日一日断酒することに全力を尽くすことが大事です。
一日一日の断酒を積み重ねることで、次第にお酒のない生活が当たり前になり、安定した日常を送れるようになります。
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